NISAは非課税で投資できる便利な制度ですが、開設時や運用開始後につまずくポイントがいくつかあります。この記事では、地方銀行の外回り営業として、富裕層から中小企業オーナー、一般の方まで幅広く資産運用の提案をしてきた経験をもとに、実際によく見られた失敗例と、その対策を紹介します。
失敗1:NISA口座は1人1口座しか持てないことを知らずに複数申し込んでしまう
NISA口座は、1人につき1つの金融機関でしか開設できません。「とりあえず気になった証券会社2社で申し込んでしまった」というケースは実際によくありました。
対策:先に金融機関をひとつに決めてから申し込むこと。もし複数申し込んでしまった場合は、後から金融機関を変更する手続き(区分変更)も可能ですが、時期によっては翌年からの変更になる場合があるため、最初から1社に絞るのが確実です。
失敗2:「特定口座」と混同してNISA枠を使わずに投資してしまう
証券口座を開設すると、NISA口座とは別に「特定口座(課税口座)」も同時に作られます。積立設定の際に、誤って特定口座の方で積立を組んでしまい、非課税の恩恵を受けられなかったというケースも見られました。
対策:積立設定の画面で「NISA口座」が選択されているか、申し込み完了後に必ず確認すること。分からない場合は、証券会社のサポート窓口に確認するのが確実です。
失敗3:年間投資枠を使い切れなかったことを気にしすぎる
新NISAの年間投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を使い切れないことを気にして、無理に増額しようとする相談も多くありました。
対策:年間投資枠は使い切ることが目的ではありません。無理のない範囲で継続することの方がはるかに重要です。使わなかった非課税枠が翌年に繰り越されることもないため、焦って無理な金額を設定する必要はありません。
失敗4:値下がり時にパニックになって売却してしまう
投資を始めて数ヶ月〜半年程度で、相場が下落する局面に当たることは珍しくありません。この時に慌てて売却し、結果的に損失を確定させてしまうケースが最も多い失敗のひとつです。
対策:積立投資は数年〜長期で見る前提の制度だと理解したうえで始めること。特に始めたばかりの時期は、価格を毎日チェックしすぎないことも、精神的な安定のためには有効です。
失敗5:資産形成全体の計画がないまま、NISAだけを単独で考えてしまう
外回り営業で資産運用の提案をする際、NISAだけでなく保険や相続対策なども含めて総合的にお金の話をする機会が多くありました。その中でよく見られたのが、NISAだけを単独で捉えて、他の資産(預金・保険・将来の相続など)とのバランスを考えずに始めてしまうケースです。
対策:NISAはあくまで資産形成の一つの手段です。まずは生活防衛資金を確保し、そのうえで無理のない範囲で積立を行うという全体のバランスを意識することが、長期的には重要になります。
まとめ
NISAの失敗の多くは、制度への理解不足か、値動きへの過剰な反応から生まれます。事前にこうした失敗例を知っておくだけで、実際につまずくリスクはかなり減らせます。分からないことがあれば、契約している証券会社のサポート窓口に早めに確認する習慣をつけておくと安心です。


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