銀行口座を開設すると、必ず目にする「定期預金」という選択肢。なんとなく「金利が高いらしい」というイメージはあっても、実際にどう使い分ければいいのか分からない人は多いはずです。地方銀行で外回り営業として、数多くの方の預金相談に携わってきた立場から、新社会人向けにシンプルに整理します。
普通預金と定期預金、そもそもの違い
普通預金は、いつでも自由にお金を入れたり出したりできる口座です。給料の受け取りや、生活費の支払いに使う、いわば「お金の出入り口」です。
定期預金は、あらかじめ決めた期間(1ヶ月〜10年など)、原則としてお金を動かさないことを前提に預ける口座です。その分、普通預金よりも金利が高く設定されているのが一般的です。
なぜ定期預金の金利は高いのか
銀行から見ると、「この期間は動かさない」と約束されたお金は、銀行にとって運用しやすい資金になります。その見返りとして、普通預金より高い金利を提供している、という仕組みです。
逆に言えば、約束した期間より前にお金を引き出す(解約する)と、当初の金利より低い「中途解約金利」が適用されることが多い点には注意が必要です。営業の現場でも、「急にお金が必要になったのに、定期預金に入れてしまっていて困った」という相談は少なくありませんでした。
新社会人は、まずどう分ければいい?
結論から言うと、新社会人のうちは、次のようなシンプルな分け方をおすすめします。
1. 生活費・使う予定があるお金 → 普通預金
毎月の生活費、急な出費に備えるお金、数ヶ月以内に使う予定があるお金は、普通預金に置いておきます。いつでも引き出せることが最優先です。
2. 生活防衛資金(半年分の生活費程度) → 一部を定期預金に振り分けてもよい
「当面使わないが、いざという時のために確保しておくお金」の中でも、特に動かす予定がない部分については、定期預金に移すことで、ただ置いておくよりは多少の金利を得られます。
3. 当面使う予定のない余剰資金 → NISAなどでの運用も検討
定期預金の金利は、物価上昇率を上回るほど高くないケースが多いため、長期的に使う予定のないお金については、NISAなどでの運用も選択肢に入れることをおすすめします。
定期預金を選ぶときの注意点
注意点1:金利だけで選ばない
ネット銀行などは、定期預金の金利がやや高めに設定されている場合がありますが、同時に「いつでも解約できるか」「満期後の自動更新の条件」なども確認しておくことが大切です。満期時に何も手続きをしないと、自動的に同じ条件で更新される「自動継続」になっている銀行が多いので、仕組みを理解しておくと安心です。
注意点2:中途解約のリスクを理解しておく
「とりあえず定期預金に入れておこう」と、生活費まで定期預金に入れてしまうと、急な出費があった際に、解約の手間や金利の低下というデメリットが発生します。生活費は必ず普通預金に残しておいてください。
注意点3:銀行によって金利・条件が異なる
同じ「定期預金」でも、銀行によって金利や預入期間の条件は異なります。複数の銀行の条件を比較してから選ぶことをおすすめします。
似たような制度に「仕組預金」もある
定期預金とよく似た名前の商品に「仕組預金」というものもあります。一見、定期預金より金利が高く見えることが多いのですが、銀行側の判断で満期日が早まったり、外貨での払い戻しになる場合があるなど、仕組みが複雑です。新社会人のうちは、まず普通預金・定期預金・NISAの基本をしっかり理解することを優先し、仕組預金のような複雑な商品は、慎重に検討するようにしてください。この辺りは、また別の記事で詳しく解説する予定です。
まとめ
普通預金は「いつでも使えるお金」、定期預金は「しばらく動かさないお金」という役割の違いを理解することが基本です。新社会人のうちは、まず生活費を普通預金で確保し、当面使わない余剰資金の一部を定期預金やNISAに振り分けていく、というシンプルな考え方から始めてみてください。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融機関・金融商品を推奨するものではありません。金利・条件は変動するため、最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。


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